ともに直木賞作家ですが、今の若い方はご存知ないかもしれません。
邱永漢は日本人と台湾人のハーフですが、東京大学を卒業後台湾の銀行に就職します。その後政府の批判を新聞に投稿し、危うく逮捕されそうになり、香港に亡命します。
香港ではサッカリンの密輸で財をなし、その後日本に移住。作家となり石原慎太郎の芥川賞と同じ回に直木賞を受賞します。その後ビジネスホテルを発明して実業の世界に入り、お金儲けの本を書き「お金儲けの神様」と称されるようになります。
山口瞳はサントリーの広報部に、やはり芥川賞を受賞する開高健の同僚として働いていました。
就職活動の年は不況で、なかなか就職が決まらず悩み、紐解いたのがこの二人の本です。
山口瞳「新入社員諸君!」 、邱永漢「サラリーマン出門」の二冊です。
「新入社員諸君!」 は今風にいえば、社畜の心得的な説教風エッセイですが、そこは作家ですので自虐が入っています。
「サラリーマン出門」は真逆です。出自からして日本のメインストリートには入れないのですが、たくましく生き抜いていきます。
ちなみに東京大学出身で創業して上場までこぎ着けた人はとても少ない。
ヤマト運輸の小倉昌男氏、リクルートの江副氏、マクドナルドの藤田田氏、ライブドアの堀江氏。
いずれも同窓生である既得権者に対する強烈なアンチであるところが面白い。
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