「高倉健-7つの顔を隠し続けた男」森功著によると、高倉健を看取ったのは貴倉良子という女優やレポーターの経歴をもつ女性だという。そのほか真偽はともかく高倉健という大スターの様々な顔が描かれていて面白い一冊でした。
高倉健にとって江利チエミはずっとあこがれの存在だったっようで、おっかけのようなこともしていたという。もともと市川雷蔵が好きだったチエミは、清川虹子のアドバイスで高倉健に切り替えた。
二人の仲は良かったが、不幸ににも見舞われた。妊娠中毒症で子供をあきらめたり、家が火事になったりしたのだった。
そして自称チエミの異母姉が夫妻の金を使い込んで失踪する。チエミは申し訳なくなり離婚を申し出たようだ。
日活ロマンポルノというジャンルながら、素晴らしい映画を作った田中登という監督がいる。深作欣二監督も田中登をリスペクトしていて二人で意気投合していたようだ。
ところが、高倉健の任侠映画との決別の原因が田中登監督にあったというので驚きだ。東映の映画「神戸国際ギャング」に日活の田中登監督が起用された。映画の中で、女優が日活ロマンポルノ風の演技をするシーンがあって、高倉健が嫌がったところ、東映の俊藤浩滋プロデューサーと確執が生じた。その後、高倉健は東映を出て独立する。
高倉健の死は親族にも知らされなかった。葬儀を取り仕切ったのは養女になっていた貴倉良子。親族も高倉の死を知るまで養女の存在を知らなかったという。