厚木の逃亡犯がかくまわれていた不思議に、週刊SPAが切り込んでいる。厚木以外の地域のヤンキーにもインタビューしてこの事件の感想を聞くと、ヤンキーたちの生態が浮かびあがっていて面白かった。
逃亡犯をかくまっていたのは地元のヤンキー友達だ。刑期終了後はどうせ戻ってくるので、無下にはできないらしい。彼らはたいてい中学生ごろから、暴走族などのやんちゃ仲間としてつるんでいて腐れ縁が生涯続く。学歴もないので仕事はそういった仲間のつてで建設関係や飲食関係で働くことが多い。
彼らは仲間内で仕事を紹介しあうのは、外にでれないからだ。違う地域にいくと、そこには別のヤンキーのコミュニティーがあるので入り込めない。
学歴などあるていど普遍的なパスポートがないので、ドメスティックな人間関係で仕事を探すしかない。
女性も中学生時代からヤンキーのコミュニティに入り込む。暴走族でレディースとして活躍したり、複数のヤンキーと異性関係を持つ。そして若くして結婚して子供をもつ。ヤンママだ。
しかし、離婚も多くビッグダディの世界だ。地元の大衆酒場やスナックで働いて地元コミュニティの活性化に一躍買う。
アメリカ映画「波止場」は港湾労働者を描いた映画だ。港湾労働者は地元のマフィアが束ねている。山口組が神戸の沖中氏の元締めだったのと同じ構造だ。
社会のインフラ維持には腕力が必要だし、腕力自慢の男達を束ねるためにはその世界独自のパワーが必要だ。親分子分が盃をかわす独自の力関係だ。
ヤンキーは建設関係が多いので土木利権を牛耳る保守政党とも親和性が高い。ヤンキーコミュニティで土木関係につくと、選挙動員もされる。
やんちゃ人脈の一部は暴力団にも加入するので、薬物のネット―ワークともつながる。
非常に根深い状況があるようだ。