日経MJ12月11日号では、ファンケルの池森会長が登場。株式を全株キリンに譲渡して創業家の影響を排除するという。最近の創業家をめぐる騒動に嫌気をさしたそうだ。
本田宗一郎氏が子供にはあとを継がなせないと公言し実行したことが称えられている。それだけ少数派だということだろう。
当ブログでも三代目のケースを紹介しているが、こちらのパターンが多いのだろう。
ファンケルの池森会長は一度後継者に引き継ぐが失敗。立て直しのためカムバック。その際社内に逸材を発見し、自分の目が誤っていたことを自覚したようだ。
カムバックしてやったことは減っていた広告費を増やしたこと。さすが創業者は攻めの重要さがわかっている。
このブログで紹介した三代目は営業の報奨金をやめてしまった。2代目3代目は売る自信がないので、すぐ内部管理に走りたがる。内部管理など誰にでもできる。人間心理を読んで売ることが経営の核だ。
池森会長は実に素晴らしい経営者だ。しかも再発見した逸材もベンチャースピリッツはないと冷静に判断し、キリンへの売却を決断したという。今後MBAのケースとして残るだろう。
ダイエーの中内創業者は偉大な事業化だったが後継者を息子にと考えた時点で誤ったのかもしれない。最後は自分の住むマンション以外は失ったという。
大塚家具、出光石油、大戸屋、LIXILと所有と経営の分離が言われながらエゴで失敗する企業は相次いでいる。
江戸時代の大阪船場の商家は、息子は遊ばせておいて優秀な番頭を婿にして後継ぎとした。ファンケルもそんな知恵の現代版になるかもしれない。