小池百合子知事の振る舞いを見ていて、当ブログで「女タレイラン小池百合子」という一文を書いた。その後「女帝小池百合子」という本が出版され大変売れている。スキャンダラスで面白い本だけれども、ノンフィクションというよりも小説的な面白さだ。いわゆるビカレスク(悪漢)小説的な面白さだ。
女性主人公のビカレスク小説として、有吉佐和子の「悪女について」や東野圭吾の「白夜行」がある。「悪女について」は沢尻エリカ主演でテレビドラマにもなっている。
どちらの小説も、第三者の視点から主人公が語られていて、本人は直接登場してこない。
「悪女について」の主人公は”富小路”という華族出身と誤解されることを期待した苗字を名乗り虚像を作りあげていく。
ノンフィクションといいながら、スキャンダルを前面に出し全体的には推測が多い作品もある。かつて橋下徹氏をスキャンダルチックに書いたノンフィクションライター佐野眞一は、被差別部落出身についての記述を批判されお詫びに追い込まれた。
その後、同業のフリーライターから盗用を非難されてお詫びに追い込まれている。
りんたろうはおもしろいノンフィクションは小説として読むようにして、事実関係については保留するようにしている。面白さを優先するために盛って記述する可能性が高いと考えるからだ。
週刊誌ライターのさきがけである梶山季之は小説家に転じて成功している。執筆した小説の多くはビカレスク小説だ。大衆が何を喜ぶかを感じつつ、事実誤認や名誉棄損のリスクを回避するための転身だろう。
「悪女について」と「白夜行」の主人公は多くの謎を残しつつ自殺してしまう。小説としては謎を浮き立たせるためにそのようなオチをつけたのだろうが、現実の小池都知事はタレイランのようにしたたかに生き残るだろう。
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