テレビ番組「たけしのニッポンのミカタ!」で激安店の儲ける秘密が紹介されていた。煮込みだけの店、アサリ丼だけの店など単品で勝負する店は興味深かった。体育会系の学生を相手にする超大盛の店もあった。超大盛の理由が、従業員がいないので、多くの料理を作れないため大盛にして注文の回数を減らすためだという。人件費の節約と作業効率という意味では理にかなっている。
そして週一日だけ営業する肉屋の儲けの秘密が紹介されていた。そもそも何故週一の営業にしたのか。この肉屋は古くから営業していたが、周囲に大手スーパーが増えてくると、売上が減少していった。やっていけないところまで業績が落ち込んだので、廃業を考えたという。しかし、周囲の声もあって週一日だけ営業を続けたという。
経営学のカリスマであるドラッカーの言葉に「捨てる勇気を持つ」というものがある。事業領域を絞り込んで差別化するためには得意なことを探すより、余計なことを捨てる勇気が必要ということだ。この肉屋は、まさに事業を捨てる、営業日を捨てる勇気を持ったわけだ。
この店が儲かる秘密は、仕入れが非常に安いからだ。卸会社が大手スーパーのために商品の量を確保するが、どうしても半端がでてしまう。スーパーへの納品で欠品を避けるためだ。捨てるのにも金がかかるため、安くても引き取ってくれる店の存在はありがたい。
そのようにして安く仕入れられたので、思い切って安く売ると、毎日営業していた時よりなんと売上が上がったという。毎日営業しないと冷蔵庫など電気代や運転経費がかからない。パートの人件費もかからない。当然利益はアップする。
ドラッカーには「予期せざる成功」という言葉もある。この肉屋も営業日を週一日まで減らして、以前より儲かるとは思っていなかったという。
少ない営業日で一気に量を売るため値下げをすると、予想もしない客層が現れてきた。子だくさんの家族やボディービルダーなど、安く一度でたんぱく質のまとめ買いをする客層だ。
子だくさんは子育ての時間確保のため買物の回数は減らしたい。ボディビルダーは筋トレも時間を使うし、仕事もある。当然買物はまとめて済ませたい。
大手スーパーの余りを安く仕入れることになるとは予期していなかったろう。安く売るための安い仕入れ先を探す必要性に迫られたからだろう。
こだわりを捨てて、新しいものを受け入れる。まさにドラッカーの教えを実践しているビジネスといえる。
牛丼チェーンやハンバーガーチェーンで、半額セールを実施したところ買上点数が5倍になった。原価率が低い場合損益分岐点が下がり商売がなりたってくる。さらに関連購買のクロスセルにより売上と利益がアップする。これをビジネスモデルとしたのが100円ショップだ。
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