最近の世襲の総理大臣は、いわゆるボンボン学校を幼稚舎や小学校からエスカレータ式で進学して受験の苦労はしていない。就職も当然コネで形ばかりの就職をして、仕事ももちろん形ばかりだ。
首相経験者の子供や孫を厳しく教育できる上司などそうそうはいない。政治家になってからも、秘書や官僚が汚れ仕事をやってくれる。したがって、天真爛漫な子供のままの大人ができる。
ビルメンテ会社の3代目もまったく同様だ。厳しくできるとすれば親なのだが、2代目は会社を傾けて承継したので、口が出せない。大塚家具でも親が立ちはだかったが、この会社は創業者はすでに亡くなっていて、親である2代目は経営者としての力量がない。株式の支配権があるので、モノを言える人がいない。
この3代目はとても明るくナイスガイだ。遊びで接する分にはいいやつだ。しかし、エッシェンシャルワークが大嫌いだ。泥臭い営業も嫌いだ。きれいごとで、業績には直接関係のない分野ばかり好む。
片腕であるはずの今里氏であるが、半年もすると遠ざけられ始めた。今里氏は都市銀行の元支店長であるから、一流大学卒のエリートである。しかし、大学でも運動部で体育会系である。
ぬるま湯で育った3代目とは肌があわなかったらしい。肩書こそ重役だが、3代目はお気に入りの取巻きとばかり過ごすようになった。社長といっても仕事らしいしごとはしていない。決められた会議に出席することと、取引先への表敬訪問くらいのものだ。
そして人事でも、2代目時代に会社の屋台骨を支えた実務家を外しはじめ、取り巻きのヘタレを取り立てはじめた。
取巻きのヘタレたちは、仕事ができなく学歴も劣った人物が多い。どうも自分より優秀な人間は嫌いのようだ。そろってFランクや高卒である。学歴がなくても仕事が出来る人間は元々それなりに処遇されていた。しかし、かれらは遠ざけられた。したがって、人物本位でも仕事本位でもない。”お好み本位”だ。
つづく
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