「洗脳され、こき使われ、搾り取られる。」そして「煙たがられる」。どうも大企業の高給サラリーマンの実態のようだ。
大企業に入社するためには学力優秀であることが必要だ。優等生である。親や学校の言うことに素直に従うということは、洗脳されやすいということでもある。明治近代化の富国強兵や戦後日本の集団型の年功序列に適応できる学力優等生だ。体育会系も良い。こちらは学力ではなく体力が優秀だ。
学力優等生は正解のある問題に回答することが得意だ。出題者の意図を読んでその意図に沿った回答を記述する。アメリカなどでは答えのない問題を考えさせることもあるようなので、これは日本の教育に独自の傾向だ。
こうして指導者の意向に従って集団行動を行うソルジャーが育成される。
こうして育成されたソルジャーのなかでも優秀なものが大企業に就職できる。そこではサービス残業が必要だ。有給休暇も取得してはいけない。法的にはそれらは保証されているが建前だ。建前を本気にしているようなソルジャーは昇進が遅れるのは暗黙の了解だ。男が育児休業を取ったら、昇進は一発アウトだ。女性でも出産・育児休暇をとれば築いてきた元のキャリアには戻れない。良いキャリアはプライベートを優先したソルジャーに与えられるべきではなく、自己犠牲に耐えてきたソルジャーだけが報われるべきというのが組織の本音だ。
政府は給与所得者に住宅取得の優遇税制を与えている。その制度を利用して住宅を取得したソルジャーには転勤の辞令が下りる。転勤先では住居を借りる必要がある。二重に住宅費用がかかる。これに耐えたソルジャーには、住居費の補填や帰省手当でで報いる。
いろいろと手厚くプラスされるのだが、それに対しては税金や社会保障費が課される。昇進できないソルジャーはそれらの比率が低いが、高級サラリーマンの負担比率は高い。給料が高いと子供手当の類も少ない。
実は大企業のサラリーマンと表面上の所得が同じ中小企業オーナーは、所得を複数に分けて税金や社会保険料を安くすることができる。この差額をドルコスト平均法で株式に投資すれば、数十年の間には大きな差となる。サラリーマンはそんな機会を奪われている。
定年退職後または役員になっても退職後は居場所がなくなり煙たがられる。管理職として部下や下請け先に丸投げし続けてきたので、自分ではなにもできなくなっている。家庭でも家事ができない。役に立たないわりには上から目線だ。
そして住宅ローンで購入した家は古くなり修繕費がかさんでくる。マンションは管理組合の決議がまとまらない。一戸建ては相続がスムーズにいかないと空家として朽ちていく。住居さえ煙たがられる存在となってしまう。
一方中小企業オーナーは子供にさえ愛想よく接してきたので、腰が低く愛すべきお爺ちゃんとして地域でも人気者だ。地域の町内会や商工会で世話役として汗を流しているのでボケない。会社の交際費もそれなりに使えてリッチだ。
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