旧い映画がネットフリックスで観られたので映画鑑賞。「万引き家族」はカンヌ映画祭でパルムドールを受賞したが、こちらの映画は同じくカンヌ受賞の今村昌平監督の兄貴分、川島雄三監督作品。脚本はモスクワ映画祭グランプリ受賞の新藤兼人と国際級のスタッフ。
「万引き家族」が平成の貧困を描いたのに対して、「しとやかな獣」は昭和の貧困を描いている。父親(伊藤雄之助)は元海軍中佐だが、失業している。息子が勤務先の芸能プロダクションから横領した金銭や、娘を小説家の妾にしてその手当で生活している。息子は芸能プロの会計係(若尾文子)と関係を結び着服していたが、彼女は芸能プロダクション社長(高松英郎)や税務署職員(船越英二)とも関係をむすんで不正を働き旅館経営を始める。
今村昌平がしたたかな庶民を映画いたように、川島雄三も逞しい庶民を少し独特なユーモアで表現した作品。