今高配当株とはいっても、せいぜい5%程度の利回りだ。バブル崩壊前は元本保証の定期預金でさえ7%だった。株式といえばもっと恵まれていて、かつては額面増資というのがあった。株価には株券に書いてある金額である「額面」と市場で取引される「時価」があった。額面50円というのが多かったと思うが、時価は例えば300円だったりする。50円を下回る時価だと「額面割れ」となる。
増資の際は額面増資のケースも多くて、株主には時価ではなく額面で出資する権利があった。先の例で言えばすでに株主だった場合、300円の時価なのに50円で買えるということだ。今のIPOやベンチャーのストックオプションより優れものだ。
会社や国の福利厚生もすごかった。企業年金もたっぷりあったし、医療保険だって無料で病院にかかれる時代があった。
ちょっとやりすぎて現在にツケを回しているところもある。しかし、東京・大阪は空襲で死体の山、広島・長崎は原爆投下で焼け野原、満州は国に見捨てられて自力で脱出。そんな悲惨な状況から立ち上がってきた人たちへの保証だったことを考えるとなんともいえないところがある。
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