映画「ファウンダー(創業者)」

映画「ファウンダー」はマクドナルドの創業物語です。ミルクセーキを作る機械のセールスマン、レイ・クロックは8台ものミルクセーキ機械を注文したハンバーガーショップのマクドナルドを訪問し、その画期的なビジネスモデルにほれこみます。小規模エリアだったマクドナルドのフランチャイズ権を取得して、全国展開を開始します。
しかしもともと品質優先だったため、小規模エリア出店に留めていた経営者のマクドナルド兄弟とレイ・クロックは対立を深めます。

今ではマクドナルドは、安さを武器に規模の利益を追求するガリバーで、それに対し品質本位で差別化するモスバーガーや函館ラッキーピエロという構図があります。この映画を観ると、創業時は小規模エリア出店でマクドナルドはモスバーガー(というより函館ラッキーピエロ)だったことがわかります。

拡大志向のクロックはいろいろ試みますが、マクドナルド兄弟とのフランチャイズ契約に縛られ思い切った策を実行できません。

そしてここが興味深いところなのですが、クロックの参謀役はある秘策を提案します。クロック傘下の店舗オーナーは自前店舗だったのを店舗リースの別会社を設立し、その会社から店舗をリースすることにしました。そうすることにより、クロックの意に沿わない経営(マクドナルド兄弟の施策を含む)をする店舗オーナーとはリース契約を打ち切ることができます。

当然マクドナルド兄弟は怒り、法律闘争となります。クロックは別会社との契約なので、兄弟との契約には縛られないと主張し勝利します。規模の経済により資金力を拡大したクロックは、マクドナルド兄弟から経営権を獲得して世界市場に邁進します。
映画では最後にクロックはファウンダー(創業者)を名乗ります。

グローバル企業は法律違反ぎりぎりでも実に貪欲に前に進むものだと感心させられます。テレビドラマ「スーツ」(英国ヘンリー王子妃メーガン・マークル出演)でもそのあたりの生々しいやりとりが繰り広げられますが、東インド会社からつづくグローバル企業の実態なのかもしれません。

マイクロソフトはもともと他社から購入したOSを元に改造し販路を広げたり、ブラウザをOSにバンドルして競合を駆逐したりしたようです。
アップルはXEROXの技術だったマウスの技術をパクります。

経営権譲渡後マクドナルド兄弟はクロックに問います。最初にクロックが店に来た際すべてを見せたのに、なぜマネをして別のチェーンを作らなかったのかと。その答えは映画をご覧ください。