【猫に小判】面倒な人間関係こそ利益の元
かつて労働組合に参加していた頃、連合の幹部と話したことがある。コンピュータの導入に際して、仕事が奪われるとして労働側に反対が多かったそうだ。反対に経営者側は経費削減で大歓迎。ところがコンピューターが普及すると、システム運用周りの仕事が増加した。労働者側は仕事が増えて万々歳。使用者側も売上と付加価値が増えて万々歳の結果になったという。労使双方とも思惑がはずれたが、WIN-WINに終わったという。
「猫に小判」というが、カネに関われるのは人間だけだ。人間は多いほど経済成長に可能性がある。人口が減ると経済は発展しない。経済的利益は人間が介在するからこそ生まれるのだ。コンピューター導入のような話は昔もあった。イギリスの産業革命のラッダイト運動だ、機械化により家内制手工業の職人仕事が奪われるため機械を壊す暴動が起きた。しかし機械化により人間社会は豊かになった。
もちろんマイナスなこともあった。商品や労働が単調になり、地域のコミュニティが奪われた。単純に万々歳ということではない。
AIは仕事を奪うのか?
最近AIに関しても、シンギュラリティという言葉でAIが人間より賢くなり、人間の仕事を奪うといわれている。これについては、なくなる仕事もあるがeスポーツのような新たな仕事が産まれるのだと思う。
ではAIがより進化すると人間のように欲望をもち、経済の主体になるのだろうか。数学者の新井紀子氏によればAI学習者のなかでは、「シンギュラリティ」はすでに過去の過ちになっているそうだ。AIは意味を理解しないし、人間の脳とは原理が違う。したがって経済の主体にはなりそうにもない。
人間関係を嫌ってアーリーリタイア
ブラック労働を嫌ってセミリタイアを志向する人もでてきた。しかし、欲望と経済の主体は人間なので、人間関係から経済的価値は産まれる。インターネットを介してある程度人間関係を結ぶことはできるが全てではない。アーリーリタイアでそのチャンスを狭めるのはもったいない気がする。せめてセミリタイアに留めておきたい。
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