相続放棄というマンションの購入リスク

NHK「クローズアップ現代」でマンションの空室問題が取り上げられました。不動産コンサルタントの長嶋修さんが出演。長嶋さんがYouTubeで何回か取り上げている問題が、NHKでも取り上げられた形です。

所有者不在の空きマンション問題

空家がが増えている問題についてメディアで度々取り上げられています。一軒家の場合、取り壊してしまうと固定資産税の軽減がなくなってしまうため放置するケースが多いといいます。

マンションの場合住むことがなくなっても取り壊しはないので、固定資産税や修繕積立金などの管理費滞納といった形で顕在化します。

マンションの相続放棄で他人の管理費用を負担

マンションの空き室は高齢者が介護施設などに転居することで生じます。その後所有者が亡くなると相続放棄という形で所有者がいなくなるケースがあります。すると修繕積立金の払い手が減り、管理組合の財政が悪化します。マンションの修繕が滞り、居住スペースとして劣化します。タワーマンションの場合修繕費も高額になり、将来の管理費不足が懸念されます。

団塊の世代の相続放棄が始まる

団塊の世代が後期高齢者となり、相続が増加します。比例して相続放棄も増加します。かなりの人口ボリュームゾーンですからマンション管理費に与える影響も大きいものになります。団塊の世代が多いマンションで相続放棄が集中した場合、マンションのメンテナンスに支障がでます。

中古マンションを買うリスク

最近リノベマンションが流行しています。新築マンションは買ったとたんに中古扱いになって価格が低下します。それなら中古を買ってリノベーションしたほうが良いという考えです。

しかしマンション所有者の年齢層が高い場合、相続放棄による修繕積立金の不足があるかもしれません。

マンション購入にこのようなリスクがある上、今後売却先となる世代は非正規雇用が多く、出口もせまくなっています。そのあとの世代は人口が少なくなっています。

高齢になると賃貸不動産が借りにくくなるというのが、購入派の理由のひとつですが、購入にはこのようなリスクも潜んでいます。

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