女タレイラン小池百合子
タレイランというのはフランス革命時代の政治家で、ナポレオン、ロベスピエールといった歴史に名を遺す政治家との闘争をくぐりぬけて生き残ったしたたかな人物だ。
「政界渡り鳥」と呼ばれ、細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎といったアンシャンレジーム(旧勢力)自民党の破壊者と関わりながら生き抜いている小池百合子とタレイランがダブって見える。タレイランについては以前書いたブログをご参照ください。
やらかしをチャンスに変えるしたたかさ
小池百合子の最近のやらかしは、希望の党の立ち上げと、新型コロナ対応の遅れだろう。希望の党の失敗の後は雌伏の時期で、メディアにも出ないようにしていたようだ。東京都知事という要職につきながらも希望の党で付いた悪いイメージがうすれるまで露出を控え、オリンピックという晴れ舞台と続く都知事選でのカムバックを目論んでいたと思われる。
難事を好機に
ところが新型コロナで状況は一変する。今回の新型コロナについては、パンデミックというよりもインフォデミックの要素が強い。特に日本は感染者や死者数が欧米に比べて少なく、緊急事態宣言で自粛を強要する必要がなかったかもしれない。しかしこれは結果論で、欧米の惨状や各国のロックダウン等の対応を目の当たりにしていた当初は当然の措置だったろう。
オリンピック~都知事選というスケジュールを直前に控え、当初は対応が遅れた小池都知事だったが、あるときからガラッと切り替えた。3月25日の緊急記者会見で外出自粛要請を行った。3月12日からオリンピック延期の調整が始まり、24日のIOCの延期決定。この間に25日の”晴れ舞台”に向けて準備が行われたのだろう。「感染爆発の重大局面」「NO!!三密」のボードを掲げて小池劇場が始まった。
希望の党の時は安倍政権に一太刀あびせることができなかったが、今回はオリンピック延期を逆手に取って官邸を振り回しつつあるようにみえる。
ソーシャルディスタンスではなく三密
世界各国ではソーシャル・ディスタンスなのに日本は三密。これは独自性を出したかったのと、オリンピックというスポーツイベントを除外したい思惑が残ってしまったのだろう。
そして三密というフレーズを採用してしまった結果、国民に分断が生じている。屋外であっても2メートル程度の距離を取っている諸外国の事例を見ている人たちと、「密」でなければ良いと解釈して、スーパーや公園に家族やグループで繰り出す人々の分裂だ。
過剰に心配する人に対して「自粛厨」などという蔑称で攻撃したりしている。しかし、赤江珠緒アナウンサーのように介護や育児で「過剰」ともいえない立場の人々もいる。一方で練馬で焼身自殺したとんかつ屋さんのように、自粛により生計の手段を奪われていて経済的に厳しい人もいる。このような分断を避けるためには国の思い切った支援が必要なのだが、雇用調整助成金などに見られるように煩雑な手続きとIT化の遅れにより混乱が増してしまっている。
武器はメディア操作
政治のパフォーマンス劇場はそのような現場の混乱を招いているが、政治家はそのような下々の混乱さえ奇貨として利用していく。小泉劇場がワンフレーズでメディアを利用して政敵を蹴散らしていったが、小池都知事はその一員だ。
出自はニュースキャスターであり、クールビスの演出にみられるように小泉劇場の主演女優でもあった。
後継者は”おもてなし”
オリンピックの因縁でいえば、”おもてなし”の小泉進次郎夫人滝川クリステル。小池都知事同様キャスター出身で総理候補婦人。未来のヒラリー・クリントンとして着々と地盤を固めているように思える。
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