会社を辞めて忙しくなった組織に向かない人

お金持ちの神様という呼び方をされた直木賞作家の邱永漢氏。もう知らない方も多いと思うので解説しておくと、石原慎太郎氏が「太陽の季節」で芥川賞を受賞した回の直木賞受賞者だ。台湾人と日本人のハーフで東京大学を卒業後台湾の銀行に入行。そこで台湾政府の批判を新聞に投稿し、逮捕寸前に香港に亡命した。香港で金を稼いで娘の病気治療のため日本に帰国。その経験を小説にして直木賞を受賞している。

その後お金のエッセイを書くようになり「お金持ちの神様」と呼ばれるようになる。彼は台湾の銀行に就職したが、暇で暇で仕方がなく、執務時間中に習字をして時間つぶしをしていたと書いている。

会社員時代の働き方

永年の会社員生活で自分にも覚えがあることだ。就社してしばらくは意欲に満ちていて、あれもしよう、これもしようと仕掛けたり周囲に提案していたりしていた。しかしことごとく受け流され否定され意欲を失っていった。社内で受け入れられる仕事をするためにはまず上司のニーズに応える必要がある。

場合によっては上司自身も無駄だと考えている会議の資料の下請けをさせられたりする。代替案的な当て馬提案もある。短期的には自分からの企画よりそちらの方がはるかにニーズがあり、評価も高くなるので仕事の中心になっていく。それら以外の仕事は、自発的にやっても評価されないのでそのうちやる気がなくなって手掛けなくなるのだ。

そのように組織では待ちの姿勢の方が有利に働くので、余計な自発仕事は考えないようにして待機時間が増えるので暇な時間も多くなる。よく上司が帰るまで帰らず、よって帰宅時間が遅くなるということがあるが要は待機時間だ。待機時間も多いので残業が付けづらく、サービス残業が多くなる。そんなメカニズムが働くのだと思う。

独立してからの働き方

ところが独立すると、上司からの仕事はなくなる。すべての仕事は自ら動くことでしか生まれない。だから外れがあっても積極的に動いてトライアンドエラーを繰り返す必要がある。それが面白いと感じられる。余計なことをするなと咎められることもなく充実感が得られる。金になるとは限らなくてもだ。暇を持て余していた会社員時代より楽しい。

私の同業者の中小企業診断士でも、協会や公共団体の登録がメインで独自のマーケティングや営業活動ができない人がいる。こんな人は組織が向いている。

定年してからやることがない人の話を聞くが、そんな人は組織が向いていたのかもしれない。与えられることを辛抱強く待てる人だ。仕事していない人でもボランティアなどで忙しくしている人もいる。そんな人は組織に向いていない人かもしれない。

組織が向く人と独立が向く人

邱永漢氏は自らを「材木屋」つまりは木(気)が多く、あちこち目移りがするので一か所に集中できず大成しなかったと語っている。松濤に邸宅を持ちロールスロイスに乗る人であるが、付き合いのあるのは所得番付上位に載るような人たちなのでそういう表現になる。

組織での暇に暇を持て余して政府批判などを始めてしまったので、こんな人は独立に向く人なのだろう。気が多いので失敗しても次に行くことができる。反対に組織に向く人は余計なことをせずにじっとしていられる人かもしれない。大組織で出世する人は、周囲が余計なことをしてマイナス点をつけられるうちに残った人が多いので、ぼんやりして有能に見えない人が多い。

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